小濱神社おばまじんじゃは、延喜式内社えんぎしきないしゃであって加賀国二之宮加賀かがのくににのみやかがの郷総鎮守ごうそうちんじゅといわれており、約1300年の歴史がある。718（養老ようろう2）年磯崎いそざき（現かほく市）から権現森ごんげんもりへ転遷てんせんして以降、度々移転を繰り返していたが、1889（明治22）年に現在地に遷座せんざした。磯崎いそざきに建立こんりゅうされた当時より、特に戦国時代には戦勝祈願所として信仰されてきた。また江戸時代には歴代加賀藩主の信仰も得ていたため、社殿の造営は加賀藩によって建築された。そのため、社紋しゃもんは左三つ巴ひだりみつどもえであるが、前田家の家紋かもんである剣梅鉢けんうめばちがつけられている。
本殿の造りは入母屋造りいりもやづくりで、屋根は柱間2間の向拝こうはい付きの銅葺どうぶき、千鳥破風ちどりはふで軒先は軒唐破風のきからはふ、柱間は正面に3間、側面に2間ある。現在地へ遷座して100周年にあたる1989（平成2）年に、本殿の修復、幣殿へいでん、拝殿の改築、直会殿なおらいどのの新築等を行った。
指定年月日：1978（昭和53）年11月1日